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2012年10月8日月曜日

ー正義と面子ー



先日ブログに、雲南省怒江(Nujiang)の国籍がなく、その為に様々な困難と貧困に苦しむ人々のことを書いた。その怒江を取材した友達の記事が今週月曜日発行された。

没有国籍的人
http://times.clzg.cn/html/2012-10/29/content_308021.htm

彝良でも行動を共にし僕の記事を書き、昆明では彼女の上司のジャーナリストの友達の家に泊まらせていただいた。これまでの彼女の記事は、なかなか普通の人が知ることが困難だったり、またこの社会体制上なかば世間から闇に葬られてしまっている“事実”を密着取材し、届かない弱者の声を伝えている。

記事が発行されたその日から、怒江の現状を知って心を痛めた人々ら毎日数十件の寄付をしたいという電話がきている。彼女はとても喜んでいた。



しかし昨夜、僕のビザの更新拒否を受け相談にのってもらっていたとき、彼女が電話口で泣いていた。
あの記事を書いた事で、会社の上司・同僚含めて“上”からお叱りを受けたというのだ。
しかも驚いた事に、怒江の地元政府からも「なぜあんな記事を書いた。」と文句の電話もきていた。普通(の国)ならば、現状を伝え寄付を募ってくれたことにより感謝されてもおかしくないのだが、こちらの世界では話が根本的に異なる。ボランティアや慈善活動をする人々が、上から罰せられてしまう世界なのだ。なぜか。通常は国がやるべきことで、もしボランティアが必要とされた場合、それを恥ずかしいことと上はとらえるのだ。雲南地震発生から11日後に全てのボランティア撤収の命令を出した理由もおそらくそれだろう。弱者の保護よりも、しょうもない意地と面子、そして職場での地位を優先するのだ・・。



ジャーナリストというのは“上”から嫌われる職業だ。ID身分証明書も一般の人とは異なるものを持たされている。そして監視され、容易に行動を制限されてしまう。
友達のある大手インターネットメディアのジャーナリストはQQ(中国版skype)でジャーナリスト同士話をしていた時、少し上をヒハンする内容の会話をしていたら突然警察がそれぞれの家に入って来て、2人は連行されてしまった。同じように記事云々の話ではなくこういったプライベートの会話で監獄に入れられてしまったジャーナリストを何人も知っている。彼らは正義と平和の為に戦っている。それ故、敵とみなされ監獄に入れられてしまうのだ・・。



これでもジャーナリストはまだ立場は保証されているほうなのだ。その他一般の人々というのは、ハンギャク者と捉えられれば僕らの知らないところで、声をかき消され、静かに抹消されてしまう。それに対し残された家族が「なぜ?!」と問うものならば、また新たな犠牲者が出るのだ。
理不尽な話だ。。

QQやメールのハッキングは日常茶飯事だ。僕のQQも先月ハッキングされ、350人ほぼ全ての友達の連絡先と過去の会話が削除され、ログインすら出来なくなった。

Welcome to China.


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怒江の情況(中国語)

云南省怒江州福贡县,位于怒江大峡谷中段,全境内90%以上地坡度在25度以上,人以傈僳族和怒族主,高山峡谷中共有57个村庄。

当地基本没有工,村民生活以农业为主,但耕地有限,以生的人生活在线以下的比例非常高。福贡县经济连续多年位列云南省倒数第一。

之特殊在于,于中缅边境,多年来在两地迁徙的人们产生了众多没有籍的人意味着他没有低保,没有医保,无法外出打工,子女教育受限,家中困。根据最近官方统计,福贡县境内共有13695人没有籍。其中以上帕和架科底为严重。

冬季来,山里的人普遍缺乏冬衣物和被子,大多数家中一如洗的人,任何生活用品的捐都是有需要的。另,当地教堂普遍面临维修境地,如有教会愿意帮助捐款,亦可与以下教会人士系。以下是拜访过的村寨概况。

支援希望についてのお問い合わせはfacebookを通じてご連絡下さい。

 【新聞】:雲南信息報:河原启一郎:我只是个普通志愿者



facebook: (keiichiro kawahara,

2012年10月6日土曜日

—間違った愛国ー



好きな国だけど、不思議な国だ。
最近韓国の警察が法定海域を越えて侵入して来た中国漁船と衝突し中国人漁民が一名射殺されたことで話題になっている。ネット上ではすでに炎上が始まっている。しかし国内を見てみれば、もっと酷な亡くなり方をしている国民がいることを知っているだろうか。


大学生の友達がまだ中学生だった頃、地元(信陽)の学校から家までの帰り道、一週間に一度は道端に捨てられている赤ん坊の遺体を見ていたという。多い時には一日に2体。特に女児が多かった。理由は説明しなくても想像できるだろう。


彼女自身も、実は生まれてすぐに河の橋の下に置き去りにされた。
母親の異変に気づいた親戚の伯父さんがその後探しに行き、彼女を救ったのだと。
もちろん、事実を知った彼女は母親を憎んだ。弟とも少し異なる扱いをされていた。
しかし、彼女はこの話をしてくれた後に、

「なんかさ腑に落ちないけど、もう母を許すよ。過去は過去だし。今はいい家族なんだ。」

とつぶやいた。

もし救ってくれた伯父さんがいなかったら、もし家族全員が彼女を捨てる事に同意していたら、今年の夏こうして彼女の姿を見る事はなかっただろう。道端に捨てられた家族も帰る場所も、名前すらない赤ん坊になっていたかもしれないと思うと、複雑な気持ちになる。

国内の問題には声を上げて議論しにくいのがこの国の現状だ。簡単に見つかり握りつぶされてしまうからだ。一方少しでも他国が関わると、また話は異なる。これまで溜め込んで来た怒りや不満を爆発するかのように一気に炎上する。周辺諸国はいいガス抜きに利用されてしまっているようだ。この大国に一定の連帯感と、統一をもたらす為に、愛国という名の元に怒りの根を植え付け、それを上手くコントロールしているのが今の親方だ。

その影で、声をあげられない何人もの人々が苦しんでいるのを知っているだろうか。いや、知っているからこそ貧しさに困窮する人々をより貧困させ、誰にも見つけれないように、何もなかったかのように、見せかけの平和を示しているのだろう。
自分らの保身の為に、ネット検閲に税金を注ぎ、一日千件以上のサイトを削除している暇があるのならば、その愛国の名の元に自国民にもっと手を差し伸べるべきじゃないのか。そう思ってやまない。そして誰もがそれを声を大にして言いたいが悲しい事に“まだ”言えない。じゃあ、僕がここに書こう。



北京に来る用事がなければ、被災地からそまま雲南省の“怒江”という場所にジャーナリストと共に移動する予定だった。予てから行きたいと思っていた場所だ。
「怒江」名の由来は“怒る川”。その名の通り、ゴーゴーと音を立て怒り狂うように断崖絶壁の山々の間を川が通っている。

この土地に住む人々、実は国籍が無い。

ID(身分証明)もなければ、学校にもいけない。国からの援助もない。
この場所、ミャンマーと中国の国境に位置し、かつてことあるごとに国界が何度か変わっていた。しかし今は中国雲南省の一部になっている。



100年前にミャンマーから入って来たイタリア人宣教師がきっかけで、住民のほとんどが基督(キリスト)教徒で、国の福祉が存在しない今、頼れるのは教会のみとなっている。それでも食料、衣服、気温が下がる冬に向けての毛布などが足りず、解決の糸口がない。

省道から山道を3時間歩きやっと村にたどり着く。住民約1300人中190人が国籍が貰えない。政府は承知しているが救済措置は未だにない。約半分以上の住民が着ている洋服は寄付により他の地方から送られたもの。

今現在まだ現地にいるジャーナリストと毎日連絡を取り続けているが、悲しいニュースばかりだ。人々はとても親切で泊まらせてくれ、一緒に食事に誘ってくれるが困窮した生活の話題になると涙しながら語る住民もいるという。

どうすれば合理的に政府にプレッシャーを与えられるのか。
昨日講演会の後、話し合いの場を持ち、いい方法を思いついた。(内緒w



石頭の大学幹部(とう)に失望し、その後僕が立ち上げたTencent Weibo協賛のチャリティープロジェクトも無事終了、あとはオンラインで公開されるのを待つのみ。
今後一週間北京に滞在し、再び雲南省へ。


今度はもう襲われない。ぞろぞろと、引き連れて行くよ(ハート)



http://news.ynxxb.com/content/2012-10/26/N99566047252.aspx



facebook: (keiichiro kawahara,
河原啓一郎 http://www.facebook.com/coucou.kei